印・壱


前日から三蔵が風邪を引いた様子だが
本人は大丈夫だと言い

次の街に着いた頃には悪化してしまいグッタリとしてしまっていた








「とりあえず急いで宿屋を取りましょう」


「宿屋探してて!
オレ桃缶買ってくっからッ!」








そう言うと悟空は街の中をゆっくり走るジープから飛び降り 人混みへと消えて行った








「あ、あそこ宿屋じゃねーの?」








悟浄が指差す先に宿屋が1軒あった

急ぎ八戒が宿屋で受け付けを済ませ三蔵を部屋へと運ぶ








「どけッ!
1人でも歩ける…ゴホッゴホッ」


「無理してんじゃねーよ
俺に向かって咳すんじゃねーぞ?」


「望み通りにしてやる…
ゴホッゴホッ!!」


「あッ!てめッ!きったねーな!
唾飛んで来ただろーがよッ!」


「いいから早く部屋に行かないと…」








惷香の言葉にも不機嫌そうに悟浄が三蔵の肩を抱えて部屋へと入る
ベッドにドサリと放り投げ








「てめぇ殺すぞ…」








の1言にも弱った三蔵には負ける気はしないとばかりに








「はいはい」









と悟浄は軽くあしらった


三蔵も余程辛かったのか大人しく布団に潜り込んだ








「じゃ私薬屋探して薬とか買って来るから」


「分かりました
気を付けて下さいね」








そう八戒に言われ宿屋を後にした





.

[ 22/216 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[栞挟]
書物一覧に戻る



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -