参拾六


「あの悟空が……か」


「はい…」


「その男
と言うのも関係しているのであろう」


「その夢とは異世界にいた時から見ていた物か?」


「いいえ…
実は昨日の夜からなのです」


「昨晩から とな?」


「はい…
こう何か見たりするとフラッシュバックの様に…」


「なるほど…」


「して、異国から来た者には特別な力があると伝えられているが
そなたにはその様な力はないと申すのだな?」


「はい…」


「その夢同様に直にその力が現れるやもしれんな」


「惷香よ
そなたにはここにいるよりも目的を探す事を任命いたす」


「え…?」


「玄奘三蔵
入りなさい」









驚く惷香を余所に
三蔵が謁見の間に再び入って来た









「北方天帝使玄奘三蔵
参上致しました」


「三蔵よ
この娘 惷香と共に天竺への旅に向かえ
その間
この娘に起きた事や、目覚めた事などを報告せよ」


「ッな…!
本気で御座いますか?!」


「この娘には特別な力があるのは三蔵
お主も分かっておろう?」


「しかし…!」


「ここにいてもこの娘の目的も果たせずにいよう
そこで
八戒 悟浄 悟空と共にこの娘の目的を果たせ」


「何故そこまで…」


「直に分かるであろう
頼んだぞ」


「御意…」










斜陽殿から出た三蔵は
あからさまな程不機嫌だった








「あの……
申し訳ありません…」


「お前のせいじゃない」









頭をガリガリと掻きながら煙草に火を付ける

階段を下り、振り返ると









「チッ!行くぞ」









と惷香を誘導した








「はい…」









惷香は三蔵の後ろを慌てて追い掛け 3人のいる街へと急いだ








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