弐拾壱


宿屋の入り口には提灯が左右に灯されていて
温かみのあるお店だった

入り口を入ると左手にフロント
そこには店員らしき人が

「おかえりまさいませ」

と会釈をする

八戒はまた振り返り








「こちらですよ」









と2階への階段を上る

階段を上がり
いくつもの扉を通り過ぎると悟浄と悟空らしき声が聞こえて来た








「全くあの2人は騒がしくてすみませんね
こんなんで」









八戒は惷香に困った様な笑顔で言う







「い、いえ」









と首を横に振る

廊下を進むと段々声が大きくなる

一番奥の部屋のドアを開けると








「いい加減にしろ!!」








と怒声の後に

ガウンガウン!!

と拳銃が2発鳴り響いた








「―――ッ!!」









拳銃なんて見た事もない惷香はヨロヨロと後ろに下がり 八戒にぶつかった









「三蔵?
むやみに拳銃なんて出さないで下さい
惷香さんが驚いていますよ?」


「そんなの知るか
と、言うか何勝手に連れて来ているんだ貴様は」


「どうも彼女泊まる場所もお金もないみたいですのでお連れしました
それにちょっと気になる事も」








八戒はニッコリと三蔵に笑みを向ける








「お前な…
俺がさっき言った事が分からんのか!」


「三蔵こそ僕がさっき言った事をお忘れですか?」


「〜〜ッ!勝手にしろ!
俺は知らんからな!」








三蔵はドカリとベットに腕を組み座り込む









「気にしないで下さい
いつもの事ですから」








八戒は惷香に微笑むと 荷物を奥にある部屋のテーブルに置きに行った







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