拾八



「お会計でございますね
ありがとうございます
250元になります」


「元…?えっと…これで」









そう店員に言われ
惷香は1000円札を差し出す








「あの…お客様?」


「はい?」


「あの…これは何の冗談でしょうか?」


「え?」


「あのォこの紙幣か硬貨でお願い致します」


「え…?」









見せられたお金は惷香が見た事もない物








「カードでも構いませんけど?」


「カードはないです…」


「……。
店長ー店長ォ!」










店員が店長を呼びヒソヒソと話をする
あからさまに店員の視線が冷たい








「あの!何でこのお金が使えないのですか?」








惷香は自分の1000円札を見せながら聞く








「お客様
そんなオモチャの様な物はこの国では使えませんよ?」


「国って…
そんな筈は…!」









どういう事?
昨日まで使えていたお金が急に…


確か『元』と…
まさか本当に飛行機で連れて来られたとでも言うの?
ここは隣の国の中国……?

惷香は愕然とした






「コーヒー代が支払えないとなると警察に行くか働いて貰うしかないね」


「そんな…」









その時

チャリーン









「これでお願いしますね」










振り向くと そこには両手に一杯荷物を持った八戒がいた





.


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