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二足歩行

 私はいつものように照りつく太陽の下、通学路を歩いていた。隣には友達の梓。さっきから延々と何か話しているけど、私は何だか真面目に聞く気にもなれなくて、相槌だけを打っている。「うん」、「へぇ」、「そうなんだ」って三つの言葉だけで、案外会話は成立しちゃう。
「だから、來海に応援してもらえないかなって」
 梓は私ににっこりと微笑んで言った。何の話か分からなかったが、多分恋愛の話。前に「かっこいい!」って話してた先輩のことかな。
「いいよ。もちろん」
 なんて言って無責任に承諾する。「応援」って言ったって、ただの相談役だろう。また適当に相槌を打って、適当に答えとけば大丈夫。
 そうやって毎日同じように適当に生きて、同じような日々が過ぎる。でも、確実に時は過ぎていて、「同じ」日なんて一日もないことぐらい、分かってる。
「今日の空、きれいだね」
 唐突に私が言うと、梓は困ったような顔をして、「何よ、いきなり」と笑った。だって、本当に空がきれいだった。
「來海ってさぁ、変わってるよね」
 梓はそう言ってまた笑う。馬鹿にしているわけではないのは分かるけど、それでもむっとしてしまう。「じゃあ、同じ人間なんているのかよ」なんて。でも表情には出さずに、あはは、と笑っておいた。
 教室に着いて、ふぅと一息。梓は別のクラスだから手を振って別れた。
 退屈な授業が始まり、馬鹿な男子が授業中にふざけて、先生が注意をした。くだらないな、って欠伸する。斜に構えてるみたいだけど、本当はみんなだって「くだらない」って思ってるんだ。
 休み時間になると、みんな友達のところに行くのだけれど、私は一人。群れるのが嫌いな体質なのだ。友達も少ない。気を使ってしまうような友達といるより、一人の方がずっといい。読書をするわけでも、勉強をするわけでもなく、十分間の休みをフルに睡眠に費やす。こうしてれば、「根暗だ」って笑われるわけでもないのだし。陰口を全く気にせずいられるほど、私は強くなれない。
 そうやっていつものように学校が終わる。帰宅部の私は一人でさっさと帰る。梓とか、仲良くしてる数少ない友達はみんな部活動。帰りに横目で運動場の汗を流してる生徒を見て、憧れないわけではない。全身全霊をかけて打ち込めることがあったら、なんて思う。
「今日は・・・・・・水曜日か」
 今日も行くことにした。こんな、ちょっと気分が沈む日にはアイツの所でCDを聴きあさるのがいい。私は携帯電話を取り出して、電源を入れ、電話をかけた。三回目のコールでアイツは出た。相変わらず暇人だ。
「あ、今日も行くから。じゃあね」
 一方的な会話で電話を切る。アイツは「えぇ」なんて言ってたけど、気にしない。別に嫌でもないのは声を聞けば分かった。

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