俺らは今、体育館に集合している
でかいでかい体育館に生徒がどんどん集まってくる


今日は、新入生歓迎会。




ステージ前の人の多さが尋常じゃない。
生徒会は、ステージから登場するからだ。

バーゲンで集まってるおばさんみたいだ。



すげぇ。としか思わない


もうすこししたら
多分生徒会メンバーが出てくるだろう

俺たちは体育館に来てからもう20分ほど経つ


「はやくこいよな〜」
「僕を待たせないでよねー」

真哉はずいぶんすごいことを言う。でもそろそろ疲れたし。

俺たちは一番後ろの壁際。壁に寄りかかってはいるが、気疲れする。

そう思っていると、


『キャー――!!!!!!!』
『ウォオオオオオ!!!!!』


「うっ」
「来たな……」
「遅いぃ」

耳をつんざく声。
壁まで声によって振動している。




「ちっ、うっせーなー」
「我慢我慢」



生徒会メンバーがステージの上に勢揃いした
ステージ前にはキャーキャー言う親衛隊の人たち

副会長がマイクを持った



『では、これからゲームの説明をします。』

生徒会が話し出すと先ほどの騒がしさは嘘のように静かになる。良い子ちゃんだこと。



『ゲームは【鬼ごっこ】です』


誰もが初めて聞いた内容に少しざわつく


「鬼ごっこ…?」
「面倒くさそうだな」
「そう?面白そうだと思うよ」
「はぁ?」


鬼ごっこ。
だから 捕まえる なのか



ん?………待て、俺は逃げる決定なのか?






『ルールは簡単です。こちらで【鬼】と【子】は決めてあります。制限時間は9時から12時までの三時間です。』




何を基準に鬼と子を決めたんだ

しかも三時間か…
微妙だなぁ…



三時間走り回るなんて無理無理。
どっか隠れるところを探さなきゃだよな。


てゆーか、適当にさっさと捕まれば楽なんじゃね?
あ、俺頭いー。


『15分先に【子】は逃げます。校舎や全体を使って良いですが、寮は禁止です。多少の攻防は良いですが武器の持ち込みは禁止です』




つまり、多少の殴り合いはオッケーですよってことか。親衛隊からしたら最高のチャンスだ。


俺も少し危ないかもしれない。色先輩の件はばれてないとして、帝さんと雅さんの件は少し危ない。





『ルールをやぶった場合にはペナルティを科しますから』


綺麗な笑顔で雅さんは言った


「……ペナルティって…?」
「すっげーやばいって噂」
「自主退学した人が出たことあるらしいよ」

「えっ…」

そんなやばいの…。マサさん何してんだろ……。






『では、【鬼】を言います。生徒会メンバー全員と、』


生徒会、全員…!?


あちらこちらで会長に捕まえてほしいだの聞こえてくる。

『そして1年、A組は――――。B組は――神田怜―。C組は――』



怜が呼ばれた。

「…鬼かよ」


けだるそうに怜がつぶやく。
でも鬼はいいだろ。追いかけなければ走る必要もないんだから




「うわっ頑張れ」
「僕たち逃げるんだぁ」
「なにを基準に決めたのかな?」

「さぁ?」



確かに、気になる。
生徒会が決めたらしいけど、適当というわけでもない気がする。



「噂だとタチとネコらしいよ」



突然、後ろから声をかけられて驚く




「!、春!」
「春ちゃん確か子だよね」

「おい、そうしたらおかしくねーか?」
「そうなんだよね」
「何が…?」

怜が言う。
春もわかっているようだ。

俺には何が言いたいのかわからない




「だって真哉はタチだろ?」
「あ」



そうだ。


「まあ、いいじゃない」




『――…以上です。名前を呼ばれなかった【子】はステージ前に集まって下さい』


「じゃあ行っちゃうかぁ」
「じゃあな、怜」
「おう。変なのに捕まるなよ」
「わかってるよ」


怜に手を振ってステージ前に行く。
急いだ方がいいかな、と思ったが真哉が一切急ぐ気がなかったので俺と春も合わせてゆっくり向かった。


ステージ前にはやはり人がごった返していた。
噂で言う【子】はネコということ。
つまり、ほとんどが生徒会役員に対して抱かれたいという感情を持っていると思って間違いはない。


そんなんだから生徒会役員に近づける今はみんな、とても必死だ。
こわい。










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