comment te dire adieu





「久し振りだね、ベティ。あれから元気にしてた?

 アハハ、そんなの聞く必要もなかったっけ。誰よりもプライドの高いキミが、人前で元気のない姿を見せるわけないもんね。

 それもボクの前でなんて……ネ。

 ホラホラ、怒ったらせっかくの美人な顔が台無しだヨ?

 怒らせるのは誰って……ベティが怒ってるのはボクのせいなの?

 キミならボクの気持ち分かってくれるんじゃないかなって思ってたけど、違うのかな。

 だってキミは欲しいものは何だって手に入れてる人だから。

 ボクだって同じだヨ?

 神楽と八神……八尺瓊って言った方がいいのかな。ボクは彼らの力がどうしても欲しかったから。

 だから、そうしただけ。

 ……裏切り者?

 どうして?

 ああ、ベティはボクのコト、味方だと思って信じてくれてたんだネ。ベティに信用してもらえるのはすごく光栄だヨ。

 バカにしてるんじゃないってば。

 ボクはホントに嬉しいって思ってるヨ。

 ……そうだね、キミの言うようにそれを信じてもらうコトはすごく難しいコトかもしれないネ。でもホントのコトなんだ。

 そんな怖い顔しないでってばベティ。

 じゃあたとえば。

 ボクが今さら、神楽と八尺瓊の力なんていりません、返しますって言ったら、全部元に戻ると思う?

 戻らないし、戻せないでしょ?

 まあ戻せたとしても返す気は全然ないけどネ。

 待ってヨ、ベティ。今ここでキミと戦うつもりなんかないんだから。その物騒なムチなんかしまってヨ。

 それにできれば、キミとはずっと戦わないでいたいヨ。キミはボクにとって……。

 ん? 

 ……何でもないヨ、ただの独り言。

 ボクはまだ草薙の力を手に入れてないし、ここまできてあきらめたりしたくない。三神器の力を全部手に入れてやるんだ。ボク一人が、ネ?

 考えただけでゾクゾクするヨ……!

 力を手にしてどうするのかって? 残念だけどそれはヒミツだヨ、ベティ。だけど、いつかキミにだけは話してもいいのかもしれないネ。……いつか、キミもボクも生きて、今のコトが笑えるくらい昔のコトになったら。

 ……キミに裏切り者扱いされたままで別れを迎えるのは、やっぱり胸が痛むから。

 アハハ、だからそれはできない相談だヨ。

 もうどうにもならないって、さっき言ったばかりじゃないか。

 あ、だったらベティ、キミも来たらイイヨ。そうしたら……うん分かってる。冗談だヨ。誰にも屈服しないキミの気高さを知ってて、ボクはキミのそういうところも好きだからネ。

 ……じゃあ、ボクはそろそろ行くヨ。こう見えても結構忙しいんだ。ホラ、悪役は影でこっそり暗躍するものでしょ?

 引き止めてくれるのは嬉しいけど、できればムチをしまってからにして欲しかったな。

 フフッ、今はまだサヨナラは言わないでおくヨ。

 じゃあね、ベティ」


END



取り扱い予定がなかったのでプロフに書いてませんが、実はアッシュ×ベティも好きです。XVのアッシュのベティに対する専用勝ちゼリフは何かすごいドラマがあっていいですよね。

京庵文章が行き詰まっている衝動で書いたものの、今では反省していますスミマセン。


20100529 UP






 

- 13 -



 NOVEL / KQ 



Top



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -