つまり、とか、どうだったのか、とか、詳しくは知らない。
結局真実を知るのは十年後の未来なのだから。


だから今は。
今はただ、皆がいなくなって、それに私や草壁君は加われなくて。


ただ──そう。
ちょっぴり、ほんのちょっぴり悲しかったんだ。















「雲雀さん、まだ帰らないんだね」


「あぁ。よく……いや、たまにあることなんだが」


三日前、二年生の沢田君達が無断外泊したらしいという情報が風紀委員会に入ると、次の日から雲雀さんは学校に来なくなった。
といっても、雲雀さんが欠席してからまだ二日しか経っていないし、去年、風邪を拗らせた時の事を考えればたいした日数ではない。


だが、行方が分からない事は初めてなのだ。


「委員長がいない間、しっかりと並盛を守らなければいけない」


草壁君はこんな時でもしっかりしていて。
ぽんぽんと頭を優しく叩かれれば、私ばかり甘やかされていると嫌でも認識してしまう。


まだ目立った反乱は起きていないけれど、雲雀さんが不在だと分かればどれだけの不良が動き出すか分からない。
並盛の秩序は彼なのだから。






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