リボーンに上手く撒かれた雲雀は、風紀委員達が清掃を行う中、楽しそうに彼が消えた空の夕日を眺めていた。


それを見ている視線など、気にもせずに。















雲雀には視線の相手が誰であるか気付いていた。
名前も知らない女子。
最近、応接室の窓から外を眺めていると何時も感じる視線だ。


応接室の真下から見上ているのだろう。
毎日同じ下校時間に。


何故それを雲雀が覚えているのか。
答えは簡単だった。


その名も知らぬ女子を更に見ている者がいて、それが最近彼のお気に入りの、同じクラスの学級委員長、結城葉月だからだ。


応接室にその日の資料を届けて帰宅する、その時間。
何時もいる名も知らぬ女子を、悲しそうな、切なそうな、期待を含むそんな表情で見ている。
雲雀には決して見せないその表情。
何故かイライラした。


「あの、今日のプリントを……」


何時もより少し遅い時間。
資料を届けに来た葉月は、崩壊している応接室を見て唖然とした。





←|TOP


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -