今年は幸せだ。


年末年始にカフェのアルバイトが入ったおかげで、一人寂しい年越しと正月を過ごさなくとも良い事になったから。
クリスマスもアルバイトだったので、本当に嬉しい。


去年の悲惨さといったら……思い出すのも辛い。
ともかくアルバイトに感謝だ。


「結城さんは年末年始もシフト入ってるの?」


こくりと頷けば、先輩は「一人暮らしだもんね」とフォローしてくれた。
顔は完全に笑っていたけれど。


確かに年末年始どころかクリスマスにまでアルバイトに入っている人なんて、自ら恋人がいないと宣言しているようなものだ。


でも、気にはならない。
なんていったって、今年はアルバイトに入っているのだから。
そう、予定があるのだから!


「私は彼氏と会うから……」


お客様にちらちらと目線を送りながらも、楽しそうに予定を話す先輩。
周りのスタッフは皆、哀れみの目で私を見てくる。
この女の先輩は彼氏の話になると長い。
でも、そんな長さだって今は気にならない。
だって予定があるのだから!


「結城さん、ちょっといいかな?」


「はい」





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