ギアステーションから程近いポケモンセンター。
センターの施設も他の街に比べて色々と充実しており、例えばマッサージとか例えばシャワーやブラッシングとか。
至れり尽くせりのセンターである。
「こんにちは、ハヅキ様」
そんなポケモンセンターにノボリが直接訪れるようになって、早数ヶ月。
毎週同じ曜日に必ず現れる彼は、毎週同じジョーイ見習いであるハヅキを指名する。
「こんにちは、ノボリさん。定期検査ですね?」
「はい、左様でございます」
にっこり笑うハヅキにノボリも小さく微笑んだ。
少し前、トウヤとトウコに連れられて初めてポケモンバトルを見に来た彼女とは反応も対応も全く違う。
怖くて泣きそうだった雰囲気とは真逆で、ピンク色の制服がよく似合う優しいイメージだった。
制服に付いている“研修生”という文字がまたハヅキの可愛らしさを強調していて。
ノボリはそのバッジを一目確認すると、腰に着いたモンスターボールをカウンターに六つ出した。
その中の一つがカタカタと音を鳴らす。
ノボリが苦笑すると、光の中からシャンデラが明るい声で飛び出してきた。