部活後の体育館。
パスッ、という気持ちの良い音をたててスリーポイントラインから綺麗な弧を描いたバスケットボールが、ゴールネットをすり抜けた。


「……にゃろう」


ニヤリと笑う三井。
それを見た流川は一瞬、激しい炎を背後に燃やすが、努めて冷静に、渡されたボールをまた、ゴールへとシュートした。


事の発端は三井の言葉から。


「オレ、スリーポイントならぜってー流川に負けないな」


突然、そう言い出した三井。
花道は「み、ミッチーが強気だ」と驚き、「流川も落ち着け」と場を宥めようとした宮城を横目に。
簡単に乗せられた流川は、三井の考えた悪巧みにまんまとかかった。


「受けてたつ」


という言葉で。


もう何本目のシュートか。
ブレもしない先攻・三井のシュートが綺麗に決まり、後攻・流川がダムッとボールをバウンドさせる。
キュッとシューズの音が鳴って、ジャンプをした流川の手から、ボールが離れる瞬間。


三井が体育館の入口をチラリと見ると、


「あ、葉月ちゃん!」


「「え?」」


と、叫んだ。
思わずそちらに振り向く花道と宮城。


「あ」



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