目を二人が逸らした瞬間、ガコンと嫌な音がして、


「流川、外したなー」


流川の投げたボールがゴールに嫌われた。
バンッと流川の背中を叩き、ハハハッと笑いながらその場から動く。
その背中はワナワナと震えていた。


「三井さん、きたねー!」


「ズルイぞ、ミッチー!」


「うるせー、勝ちは勝ちだ!作戦勝ちだからなー」


ギャーギャー言う外野二人に手厚い洗礼を受けながら、三井はふと、流川に振り返る。


真剣な顔をして。


「オイ、試合で同じミスするなよ」


ばちりと目が合った。


「…………」


「お前さ、詰めが甘いからな」


フッと笑い、ひらひらと片手を挙げて、体育館を後にした三井と入れ替わりに、葉月が入って来る。


「お疲れ様。自主練中?」


その何も知らない無防備な笑顔に、流川は息を吐いた。
深く、深く。





君は
まだまだ詰めが甘い
(こいつの前では)
(ぜってー、負けねー)

お題拝借:森blog 様




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