「この問題の答え、教えてくれない?」














そう言って僕に羊皮紙を破った紙を見せた。


彼女はハヅキ。
同学年のレイブンクロー生で、黄色のネクタイがとてもよく似合っている。
よく図書室で会い、 何時の間にか仲良くなっていた友達。
といっても、ジェームズ達ほど仲良くはないし、今後、ハヅキに僕の秘密を打ち明ける気もないから、単なる“友達”なんだけどね。


その友達はどうやら最近、変な悪戯にハマったらしく、毎日といっていいほど、妙な質問をしてくる。
悪戯はプロングスとパットフットの十八番のはずなのに、今やその地位はハヅキに奪われそうであった。
但し、僕の中だけでだけれど。


「ほら、この問題で詰まってもう一週間よ?いい加減答えを出したらどうなの?」


今日の授業も終わり、夕暮れの暖かく何処か切ない色の太陽が彼女を背から照らす。


ここは授業で使われていない秘密の教室。
教室は勿論僕等以外の誰が来るわけもなく二人きりの空間になっていた。
“忍びの地図”でも使わない限り見付けることは難しいだろう。
でも漂うのは甘い雰囲気ではなく、寧ろギスギスとした後ろめたさだけだった。



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