白い光が闇夜の中を降下した。















「おい、生きてるか?」


青碧色の瞳が私を貫いた。


「此処は?」


ズキズキと身体が痛む。
痛みを我慢し身体を起こして辺りを見渡せば、そこは綺麗にガーデニングされてライトアップされた庭だった。


空は既に闇の世界になっていて、無数の星々が輝いている。


何故こんな所にいるのだろう?
見たこともない場所にうろたえてしまう。


「ここはファントムハイヴの庭だ。侵入者のくせにそんなことも知らないのか?」


「ファントムハイヴ?」


聞いたことがあるようなないような。
何とも言えない曖昧な記憶。


“仕事先”として有名な名前だっただろうか?
それともただの空似か?


私の困った顔を見て、少年は呆れたように溜息をついた。


「もう夜も遅い。明日送ってやる」


差し出された手を握り返し、立ち上がると、本当に随分と大きな屋敷が背後に建っていた。
これでは侵入者だと勘違いされても仕方がない。
家名は未だに記憶から戻らないが、せっかく親切にしてもらっているのだし、お言葉に甘えよう。



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