何時か出会うその時まで。















コンラートはサンタクロースの服を着て、遠く、両親と感動の再会よろしく、モネ・モンデミールから渡された未来の主を見て、ホッと微笑んだ。


まだ、記憶もあまり残らないであろう赤ん坊の“主”。
少しではあったが彼の黒の髪と瞳を見て、思わず未来に誓うはずの忠誠を誓ってしまった。


──もれなくお尻も拝見してしまったが。


だが、過程がどうあれ有利は無事に渋谷夫妻の元に戻ったのだ。
それだけ確認出来れば他に不安なことなどない。
まだ、彼とあまり関わるべきではないのだから。


ミス・モンデミールに激励を告げる美子と、傍らに立つ勝馬を見ていたコンラートは、近付く気配に気付かず服を引かれ、瞬間ピクリと反応した。
何かと思って視線を送れば、有利程ではないが驚くほどに小さな少女。


だが、驚いたのはそれだけではない。
少女は、主と同じ双黒の魔族だったのだから。


「……君は?」


「ゆーちゃん、たすける、サンタさん?」


たいして上手くはない英語だったが、意味は伝わった。



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