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なまえさんは、俺の姉みたいなものだ。俺がお日さま園に入ってからずっと弟のように優しく接してくれて、小さいころからなまえさんのことが大好きだった。でも、最近気づいた事がある。俺がなまえさんに対する”好き”は姉としてなんかじゃないということ。・・・それから、ヒロトさんの事。ヒロトさんはなまえさんと同じく俺の兄みたいな存在で、俺より10歳年上だ。なまえさんはヒロトさんよりも年下で、ヒロトさんの事を慕っている。そのヒロトさんがなまえさんの事を好きという事も最近知った。それは妹としてでなく、きっと、女としてだ。


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お日さま園に新しい仲間が増える、と聞いたときはとても嬉しかった。わたしはみんなよりも年下だったから、弟か妹ができるんだって考えるとすごくわくわくした。新しく来た子は男の子で、狩屋マサキという子だった。最初、マサキくんは誰とも話そうとせずに、小さい頃のわたしと同じようにいつも一人で部屋の隅っこにいた。わたしと似ている。小さいながらもそう感じたのを覚えている。だから、わたしは毎日マサキくんに話しかけた。最初の頃はこっちを向いてもくれなかったけれど、今ではとてもわたしに懐いてくれていると思う。小さかったマサキくんも中学生になり、わたしより背が高くなった。



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今日の部活は一段と長かった。いつもなら影を落とす足元さえも見えないくらいに真っ暗だ。きっと冷めてるんだろうな、なまえさんの手作りの料理。「ただいま」小さな声で呟くけど、返事は返ってこない。みんなは今頃風呂でも入ってるんだろう。食堂へと足を進めると、一人ぽつりとなまえさんが食卓に突っ伏していた。「なまえさん?」「あ・・・マサキくん!おかえり、今からご飯作るね」にっこりと優しく笑うなまえさんは、黄色のエプロンを身につけキッチンへと向かった。「なんか今日部活長かったねー」カチャカチャと食器を用意する音とともに声が聞こえてくる。「・・・ほかの人はもう飯食った?」キッチンへと足を運ぶと、なまえさんが振り向き、言った。


「うん、でもマサキくんには温かいの食べてほしかったから、待ってた」


どき、なまえさんの一言で心臓が弾む。瞬間、なまえさんを後ろから抱きしめた。小さい悲鳴のような声が聞こえたけど、無視していっそう強く抱きしめる。昔は俺よりも大きくて頼もしかったなまえさんの背を、俺はいつのまにか抜かしていて。男女の差なんてほとんどなかったが、今では目に見える。小さくて、可愛いなまえさん。細い背中を見ていると守りたくなるし、離したくない。その小さくて細いなまえさんを、俺は今、抱きしめている。


「マサキくん?」
「なまえさん、ちっさ」
「マサキくんが大きくなったんだよ」


ぎゅ、と俺の腕を掴むなまえさんは、わかっているのだろうか。これは、弟としてのスキンシップではないということを。俺が、なまえさんを。女として好きだということを。耳元ですん、と鼻を鳴らすとなまえさんの肩が小さくびくりと跳ねた。「マサキくん、そろそろご飯作りたいんだけど・・・、」腕を振り解こうと小さく抵抗するなまえさんの耳に、舌を這わせる。「ひ、ぁ・・・!」あ、可愛い声でた。「マサキくん何してんの・・・!」耳を真っ赤にさせるなまえさんの首元を指でなぞる。「なまえさんって首弱いんだっけ」俺が小さいころなまえさんと遊んでいてふとした瞬間に抱きついたとき、異常に敏感に反応していたのを覚えている。「、んん、あ・・・!」ちゅ、と口付けて首元に軽く吸い付くと、白い首元に赤い所有印がひとつ浮き上がった。そんなものを付けて満足するんなんてガキのすることだ。けど、なまえさんを俺のものにしたい、なんていう我侭な欲は、日に日に増していき。今じゃあもう抑えられないくらいだ。それを行動に移した結果が、これなわけで。我ながら、馬鹿な行動だと思う。


「昔はよく一緒に風呂入ったけど、覚えてる?」
「ぅ、あ・・・っ」
「なまえさんの胸の左のほう、ホクロが二つあったっけ」


エプロンの上からまだ発育途中の胸をやんわりと揉むと、なまえさんを拘束している俺の腕がぎゅ、と掴まれた。・・・感じてんのかな。すでに抵抗する力も弱まって、俺に体を委ねているような状態だ。なまえさんの肩を掴み、こちらを向かせる。とろんとした瞳と目が合うと、なまえさんは恥ずかしそうに目を逸らした。顎をくい、と上げてキスをする。その間に服の中に手を入れて体をまさぐると、俺の服をぎゅっと掴んで小さな抵抗の意を見せた。口から愛らしい声を零すなまえさんは、さっきまで俺が見ていた人とはまるで別人のようだった。


「なんかなまえさん、痩せた?」


あまりにも細いその体は、抱きしめただけで壊れてしまいそうだった。こういう行為も、女の人の体に触れたのも初めてだったから、改めて体の違いを思い知った。邪魔になったエプロンと服を脱がすと、露になるなまえさんの白い肌。裸エプロンっていうのも結構憧れだったりしたけど、今はこっちのほうがいいかな。形のよい胸に手のひらで触れる。「あ、冷た・・・」そういえば、部活から帰ってまだそんなに時間がたっていなかったから、外の寒さを手のひらがまだ覚えていたようだ。「ごめん」呟くと、なまえさんと再び視線が重なる。今度は目を逸らさない。


「・・・痛く、しないで」
「・・・頑張る」


きっとそれは、なまえさんが俺を受け入れてくれたっていうこと、・・・だよな?なまえさんが紡いだ言葉の意味を曖昧に受け流しながら、目の前の胸に顔を埋める。うわ、やべえ。AVとかでしか見たことなかったけど、女の人の胸ってすげえ柔らかい。そのまま零れ落ちそうななまえさんの胸を両手で揉みしだく。「あ、ッん、・・・マサキ、く・・・っ」甘ったるい声で名前を呼ばれたから、思わず下半身が反応した。今すぐ挿れたい衝動が駆け巡るけど、なまえさんと約束したからな、痛くしないって。


「下、触りたい」
「っ、え・・・」


俺の言葉に顔を赤くさせるなまえさん。ここまでしてんだから、いいだろ?なんて低く囁いてみると、小さく首を縦に振った。可愛いなあ。下に履いていたスカートと下着を剥ぎ取り、なまえさんは完全に裸の状態になってしまった。キッチンに裸のなまえさんと、俺。誰か来たらまずい、どころじゃないな。食堂は電気をつけたままだから、誰かが食堂の電気を消そう、という良心的な気持ちを携えてここに入ってきたら俺たちはもうおわりだ。キッチンといっても食堂が見わたせるように位置しているから、誰か来たらもう丸見え。そんな事をまったく配慮していなかったけど、なまえさんはこの状況をわかっているのだろうか。・・・そんな事を考えながらも結局行為は続いているわけで。ピンク色をしたなまえさんのやらしいトコロに指を入れて動かしてみたり、突起物をつついたりして遊んでいると、段々とそこが濡れてきた。なまえさんの顔に目をやると、頬を上気させ、少しだけ開いた口からは唾液が流れていた。それを拭う力さえもないなまえさんを食堂から見えない位置に座らせる。


「っま、さきくん・・・、」
「指、いれても痛くない?」
「、うん」


肩を大きく上下させて荒い息をする俺を見るなまえさんはこの上なくエロい。なまえさんってこんな顔もするんだ。ケータイの待ち受けにしたい。あーでも、こんな可愛いなまえさんが他の奴に見られるのは嫌だな。「マサキくん」「・・・ん?」変なことを考えていたら、なまえさんがしっかりとした口調で俺を呼んだ。「ま、マサキくんの、欲しい」・・・ぞくり。背中を得体の知れない何かが通り過ぎた。「・・・わかった」にやりと口角を上げて微笑む。着ていたユニフォームを脱ぎ捨て、ふと気づいた。今までなまえさんだけ裸で俺は何も脱いでないなんて、ちょっとかわいそうだったか。まあ、今はそんな事どうでもいいけど。すでに先走りが光る俺のアレは、今までに見たことがないくらい膨張して反り立っていた。うわ、爆発しそう。それをまじまじと見つめるなまえさんが、ごくりと唾を飲む。


「・・・なんか、怖いな」
「大丈夫」


なんの根拠もない”大丈夫”に安心したようすのなまえさんが俺に抱きついた。ふんわりと鼻をつくなまえさんの匂い。細い腰を両手で掴み、先端を入り口に宛がう。俺を抱きしめる力が少しだけ強まり、それだけでなまえさんの心情が読み取れるようだった。ゆっくりと体重をかけていくと、「あ゛、あッ・・・!」耳元で悲鳴にもならないような消え入りそうな声が聞こえた。結合部を見ると、鮮血が流れ出していた。え、もしかして「・・・初めて?」声を出さずに小さく頷くなまえさん。なんだ、この嬉しい気持ちは。じゃあ俺が初めての男ってことか。そう考えるとなんだか無性になまえさんが愛しくて仕方がなくなってきた。


「痛い?」
「ん、・・・ッだ、大丈夫・・・ったぶん、」


なまえさんを抱きしめ、さらさらの髪を優しく撫でる。それから一呼吸おいて再び、今度は更にゆっくりとなまえさんの中に埋めていく。「あッ、あ、・・・あぁ、ッ」きゅうきゅうと締め付けられる俺は、これだけでもうイきそうだった。今までずっと思い続けてきた、でもその気持ちは絶対に届かないと思っていた相手。そのなまえさんの中には俺がいて。・・・なまえさんはもう俺だけのものだ。勢いよく突きあげると、なまえさんの奥に先端が到着した。「い、ッ・・・あ゛、ッ・・・!」なまえさんは俺の背中を強く強く抱きしめた。そのまま腰をゆっくりと動かし、抜き差しを繰り返す。食堂に響く卑猥な水音が、更に俺たちを官能的に支配した。きゅうう、とこれまでにない締め付けが俺を襲い、これで最後だと言わんばかりになまえさんの奥を激しく突き上げた。


「あ、っ・・・ま、サキ、くん、・・・ッ!」
「ぅ、・・・あ、ッ」


素早く俺のそれをなまえさんから抜くと、白濁液がなまえさんの腹に大げさに飛び散った。うわ、めっちゃエロい。すでに気を失ってしまったなまえさんの隣に倒れこみ、キスを落とす。あー、幸せ。

今はただ、ここに誰も来ないことを祈るばかりだ。




溶けあう温度
( 嵐の前の静けさ )



続く!
next


20120210
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