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「ええと…ヒバリ……さん?」
今日は3月14日、ホワイトデー。もちろん通常どんな日であっても学校にお菓子の持ち込みは禁止されている。特例はない。私はバレンタインもこっそり持っていこうね! なんて言うクラスのノリについていくことなく持ってこなかった優等生だ。風紀委員だし死にたくないし。まあヒバリさんが「は?」ってめっちゃ威圧してきたので先月はわざわざ家に帰ってから持って行ったんだけど。けどそれも別にお返しを求めていたわけじゃない。というかもらえるなんてそもそも思ってもなかったし。だからすっかり忘れていたわけだし。
なのに何故か、私はヒバリさんにとあるモノを渡され、硬直している。それが風紀委員関連の書類であればどれだけ良かったか…!けれどそれは風紀委員にはまったく無関係で、そして恐ろしいことが書いてある。
『僕と戦う券』
手書きだ。ご丁寧に10枚綴りになっている上に、切り取り線までついてある。なんだこれは。なんだこの地獄への招待チケットは。
ひくりと頬をひきつらせながらヒバリさんを見るけど彼は至極真面目。何なら喜べと言わんばかりの顔だった。
この人の考えはよくわからないな…。
そんなことを考えながら私は脳内で逃走ルートを確保する。まだ私は死にたくないのです。
(ホワイトデー)