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「暑いね」
「え、本当にヒバリさんそう思ってます?」

 じゃあぴっとりくっついて来なければいいのにと思うのに我らが風紀委員長の距離感とは難しい。3分で応接室に来いと放送で呼ばれたかと思うと書類のミスを指摘され一生懸命訂正しているというわけですが。今日の夕方までに提出しないと駄目なんだと言われてももう少し早く教えてくれたら良かったのにと恨み節。私の作業スピード舐めないでほしい。というか、汗をかいているのだ。あまりくっつかないで欲しい、んだけど。
 ちらりとヒバリさんを見上げてみたけど私のことなんて一切見ず手元に視線を注いでいる。そりゃね、私の手書き書類なので私がするしかないんだけど。

「なに、」

 私の手が止まったからか、視線を感じたのかこっちを見るヒバリさんの距離の近さ。あ、睫毛長いなんてお決まりの感想を抱くなんて思わなかったよ。そして忘れていたけどこの人はとても容姿が整っている。私だって普通の人間の、普通の感性を持っているので心臓が大きく高鳴ったのは当然なわけで。何もないですと返すのがせいいっぱい。

 …勘弁してほしい。この人、どこまで無自覚なんだ。

(「隣に座る理由が欲しかっただけだよ」)
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