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 古びたアルバムを見つけたの。
 可愛いえくぼのある可愛い女の子が綺麗な男の子の隣でピースしてる写真から始まっていた。

 こういうのを微笑ましいって言うんだよね、昨日ママが言ってた。
 でもそのアルバムは次は男の子ばっかりのになって女の子の写真は無くなっちゃった。 みーんな、リーゼントっていう髪型をしてるの。変なの。その中で男の子は1人、一番小さくて、だけど一番強そうだった。あまり楽しく無さそうに見えるのはどうしてかなあ。

 ぺらり、ぺらり。

 ちょっと成長した男の子が、可愛いえくぼのあの子と一緒に写ってた。
 コウコウが一緒になったのね。女の子はすごく嬉しそう。
 そこから写真はずっと女の子と男の子ばっかりなの。男の子は棒みたいなものをずっと持っていて、だけど段々それを持つ写真がなくなっていって、その代わり雰囲気が少しずつ柔らかくなっているような気がした。

「ママ見て!」

 何だか自分のことのように楽しくて嬉しくてそのアルバムをママに持っていったの。そうしたらママは「また恭弥の部屋から持ってきたのね」と笑って私の頭を撫でてくれた。
アルバムを持ってそのままパパのところへ行くと丁度カメラの整備をしていたところだったわ。棒みたいなものは相変わらずお部屋にあったけど、アルバムを見せたら少しだけ黙って写真を撮ろうか、と言って私をパパとママの間にいれてくれたの。えへへ。

 アルバムを持ったままの私は精一杯の笑顔をして、


 ぱしゃり!

 可愛いえくぼのママと綺麗なパパは今日も仲良しです。

(思い出のアルバム)
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