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 アレが欲しいコレが欲しい、お腹が空いたといえば何でもすぐに手配してくれるメイド。しかも見目麗しいとくれば雇い人側からすれば大歓迎の事で。それはメイド側だって同じことが言えた。賃金も低くは無く、そして誰かの専属メイドになる。しかもボンゴレ本部の守護者となれば何故か美形揃い。
 一部の人間は確かに少し戦闘狂だし任務帰りには荒々しく少し怖いといった感想を抱くメイドもいるがそれはそれで彼らの美しさを尚損なうことはない。
 彼女たちを性的に美味しくいただいている者も当然、いた。
 それでもこれまでに誰一人としてセクハラが原因で辞職したメイドはいなかったのだからある意味美味しい思いをしていたのは男女両者だったのかもしれない。
ただ一人を除いては。


「飽きた」

 今年度最短、35分。目の前で引導を言い渡されたメイドは目にいっぱいの涙を浮かべ、彼の酷薄な笑みを見返していた。

「雲雀様…せめて私に何がダメだったのかを「ダメなところがないところかな」……え?」

 分からないかい?
 何の非の打ち所も無いメイドを目の前に、雲雀はもう一度、彼女のために口を開いた。


「つまんないんだ、君」



「沢田綱吉」
「ブッー!あwせdrftgyふじこ」

 折角のティータイムにやってくる突然のヒバリさんにオレは真顔で目の前のリボーンに紅茶を吹きかけた。…あ、これ後で殺されるな。
 ヒバリさんはメイドを辞めさせるプロだ。今日最短35分。昨日は1時間。理由は全員「つまらない」かららしい。じゃあ戦える子がいいのかとおもって戦闘のプロを雇えばそれはそれで本気で咬み殺しかけてたからそれもダメ。うとうヒバリさんはオレに直談判をしにやってきた。


「僕が僕のメイドを探してもいいかい?」
「ひ、ヒバリさんが探すのなら」
「うん、じゃあ取って来るよ」

 そっかそっかーヒバリさんが選んで取ってきてくれるなら安心だなーオレももう手配しなくていいし。な、リボーン。……あれ、今ヒバリさん取って来るっていった?メイド、取ってくるっていった?
 なあリボーン。オレ嫌な予感するんだけど。頼むからニヤッて笑わないでくれ。的中するのわかってるからさああ!


あの子は新任メイド様!
「じゃあこれ今日から僕のメイド」
「きゅう〜…」
「ブッー!ヒバリさんその子目回してぶっ倒れてるし、そもそもミルフィオーレの子じゃ…!?」


(あの子は新任メイド様!)
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