UA36

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スイートロリータ




「………なんか頭に乗ってるよ?」
「リボンよ」
「でっかいリボンだネ」

がしっと心ちゃんを掴まえて引き摺ってその場から離れた。

「何あの子?つーか誰?」
「茅園 蛍ちゃん。なんか病弱であんまり学校来てなかったらしいよ。今日学校来てたんだけど浮いてるし、巨乳だし」

振り返るとまぁ、確かに巨乳。
でも長い黒髪の頭の上にはピンク色のでっかなリボン。つーかあんなもん売ってんのかよ。学校の制服スカートには山盛りのレース。

あれは一目見ただけですぐに分かる。

ヤバイ子だ。

「なんていうか、個性的な子だね…」
「うん。これで協力してくれるんでしょ」

心ちゃんがにっと笑う。いやまぁ巨乳には変わりない。個性的だけど女の子には変わりない。

「あのー…ハジメマシテ。新屋都っていうんだけど…あー、えっと…可愛いね?」
「…………」

ぶわっと蛍ちゃんが顔を真っ赤に染める。瞬間、蛍ちゃんが飛んできて俺の首裏を掴んで思い切りぐいっと引き寄せた。ぶちゅっとキスされて思わず固まる。

「………好きっ」

わーお。なんつーか、すっげぇな。個性的っつーか、大胆。ていうか初対面だし会ってまだ何分?これはホントにまさしくヤバイ子だ。俺の手に負えんのかな。つーかマジかよ。

「はは、とりあえず離れよっか…みんな見てるからネ」
「見せてるの!」
「そっかぁ、見せてるのかぁ」

やんわりと蛍ちゃんの腕を解いて慌てて心ちゃんの肩を掴まえてその場から逃げ出した。

「何あの子!ヤバくない?ちゅーされたんだけど」
「良かったじゃない」
「えっ良かったの?確かにボクはチャラいけど、こんな急にされんのとかちょっとビックリしちゃ……」

ぎゅ、と背中に抱き着かれて振り返ると、蛍ちゃんがぺったり張り付いてた。

「新屋くん、好き」
「わぁありがとう!気持ちは貰っとく!」
「私の全部、貰っていいのよ?新屋くんにぜーんぶあげる!」

こえーよ!何このロリータ娘!

「で?どうやって協力してくれるの」
「ていうか一つ一つ解決しようよ。この子、どうしよっか」

心ちゃんが顔を背けてぷはっと笑う。蛍ちゃんはぺったり俺に抱き着いたまま、離れる気配すらなかった。

「じゃあリサーチして欲しいんだけどいいかな!?」
「ちょっと待って心ちゃん!先にこの子何とかしようよ!」


小さな頃から僕は可愛い顔をしてた。背も高くってスタイルも良かったし運動神経も良くて勉強だってそれなり。女の子に困ったことはなかったし、むしろ選り取りみどり。

女の子に困ったことなんて、なかったんだ。



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