ジュンジョー少年
チームの溜まり場になってる、頭の整備工場に行けばまだ頭しかいなかった。
「おう、凌。学校サボりかよ?」
「頭、お疲れさんです…そーっす、サボり」
それだけ言って置いてあるソファーに突っ伏す。
奥でガチャガチャとバイクを整備してた音が止んで頭が話しかけてくる。
「なんかあったのかよ?」
「んー…最近女友達が他の男と話してんの見たらなんかやけにイラついちまって。ほんと俺意味わかんねェ」
「っだっははは!凌お前、それってよォ恋じゃねぇの?」
ニヤニヤ笑いながらこの人はそう宣う。
こい、コイ、恋。
「そんなんじゃねーっすよ!」
そう言いながらも自分の耳が熱くなっていくのを感じてクッションに顔を埋めた。恋なんて、そんなもん今までしたこと無い。ただヤれりゃあ良かったしよ。人を好きになるってのはイマイチ分かんねェ。
「ま、それが恋だったらお前今までの女関係改めねーと脈ナシなんじゃねェか?!
女なら来るもの拒まず寄ってくる、喧嘩もめっぽう強ェ凌が恋って一言で顔赤くするジュンジョー少年だったなんてなあ」
なんてからかってるような声色で言いながらバシバシ頭を叩かれる。
「ちょ、痛ェっすよ!あんたに相談した俺が馬鹿だった。頭、面白がってるっしょ?」
顔を上げて頭を見ればまだニヤニヤしてやがる。
真剣に悩んでたんだけど、俺。
あー、本当この人に話した俺が馬鹿だった。この後来るであろう兄貴分達にも話されて、からかわれるのが目に見えてる。
、都に話すのもなんか違ェしな。
…帰ろかな。
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