リバーシブル【藤椿】
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「もしもさぁ、俺とお前が、本気で入れ替わったら、誰か気づくかな?」
「普通に気づくんじゃないか。僕らはとてもかけ離れているから」

屋上で、なんとなく話しをしていた。
僕らが双子だと知ったここで。
藤崎は飲み終わったパックジュースのストローをがじがじとかんでいた。

「そっかなぁ…。意外とバレない気がするけど」
「バレる。絶対」
「…それさぁ、お前の演技力の問題なんじゃねぇの?」
「なんだと?」
「俺バレない自信あるもん。お前になりきる自信あるもん!」

藤崎は子供のようにムキになって言った。
まぁ、それに乗ってしまう僕も大概子供なんだが。

「僕の方が藤崎になりきる自信がある」
「へぇ?言ったな。じゃあ勝負だ。どっちが先に気づかれるか」
「いいだろう。受けて立つ。」
「後悔すんなよ」
「そっちこそ」

そういって僕らは、佐佑を入れ替えた。


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