飛行訓練 2/3
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「上がれ!」
「上がれ!!」

校庭で落ち葉を掃除していると、一年生達の声が聞こえてきた。
ていうか私事務員よね?
掃除ばっかしてる気がする。

「やってますなあ、みんな。」

草むらからひょっこり顔を出して練習風景を眺めた。

「上がれ!」

パシッと綺麗にハリー君の手に箒が納まった。

「おおー。」

流石ジェームズの子、いやリリーの子。
他の子はまだ箒をコントロールできずに苦戦しているようだ。

「まだ箒が上がってない子は、今日は手で拾って。それじゃあ実際に飛んでみようか。」

レギュラス君が生徒に箒の端から滑り落ちないように箒にまたがる方法を教えてみせた。
なんだ、先生らしいことしてんじゃん。

「先生が笛を吹いたら、地面を強く蹴って。箒はしっかり持って2メートルくらい浮上して、降りてこようか。」

生徒達がレギュラスの手本通りに箒にまたがった。
ぴーっという笛の合図と共に、一斉にみんなが浮いた。

「そう、その調子…ネビル?」

はっと上空を見ると、1人だけ高くまで浮上している生徒がいた。

「た、助けて…」

真っ青な顔はすでに涙と鼻水でぐちゃぐちゃ。
いけない、と呟いてレギュラスがさっとその生徒へ飛びよった。
かーっくいー。
そうこうしてるうちにも、どんどんと二人は高くまで浮上していってしまった。
と、思ったら、生徒を抱えたレギュラスが凄い勢いで落ちてくる。
どうやら片手では支えきれないみたいだ。

「えーっと、えーっと、プロテゴ!」

私は着地ギリギリで唱えた。
杖は手の取りやすい場所にしまっておきましょう。
ちょっと焦った。

「ありがとうございます先輩…。助かりました。」

ぱさっと芝生に二人が背中から着地した。
レギュラスの言葉で生徒達が私に気づいたようで、一斉にこちらを向く。
怖い怖い…。

「大丈夫だったかい?」

二人のもとに歩み寄り、様子をきいた。

リシュヴァさん
リシュヴァさんだ
事務員の

私も有名になったものだ。
生徒達がひそひそと呟いているのがきこえた。

「僕は大丈夫ですけど…」
「あー、気絶してるね」

ネビル君…だったかな、は、顔から出るものを全部だして白目を剥いていた。

「僕、医務室に連れて行きますから、授業みといてくれますか?」
「よしきた、任せろ。」
「任せた。」

そう言ってレギュラスはネビル君を抱えて、医務室へと行った。


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