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ジェームズがセブルスに対しての態度を改めない理由は、セブルスとリリーの関係にあるのだろう。
いわゆる嫉妬だ。
父さんはこの頃から母さんが好きだったみたいで、それこそ女の子みたいに恋に恋したりはしていないけれど、でも時々リリーの方を盗み見ては目を細めていた。
片思いの彼女と、スリザリン生(しかも第一印象最悪)の奴が一緒に居たらそれはまぁ、多少むっとする。
恋仲では無いとしても、仲良く笑顔で会話していたらそれはもう思わず杖を振りたくなる気持ちも解るかもしれない。
だからといって、ジェームズは本当に杖を振るようなことはあまりなかった。
むしろ着目すべきはシリウスだ。
シリウスはもともとスリザリンにいい感情を抱いていない。
さらにそこにセブルスという的があれば、弓を射るのは当然のことで、もっぱらセブルスに嫌がらせをするのはシリウスになっていた。
バッグに蛙や虫が入っているなんていうのは可愛いもので、最近はだいぶエスカレートしてきて魔法、しかも呪いの類を仕掛けてくることが多くなった。
大体は僕が反対呪文で対抗し、シリウスが食らうことになるのだけれど、それにめげず、懲りず、何度も何度も仕掛けてくる姿勢は感心に値する。
いや、迷惑なんだけど。
何が彼をそこまでさせるのか、それほどまでにスリザリンが憎いのか。
はたまたセブルスに個人的な恨みでもあるのか………。
大人になった二人も、よく言い争いをしていたことを思い出した。
いつまでもこの犬猿の仲は改善されないままなのだろうか。
だとしたら、悲しいよりむしろ、残念だ。僕のスネイプに対する印象が変わった今、二人には仲良くしてほしいという願望が募る。
だからどうにかしてシリウスを止めたいのだが………。
生憎僕も嫌われているのだ。



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