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「はい、ミルク作ってー。違う違う、昨日買った固形のがあるでしょ?そう。それ。入れて、お湯入れる。違うよ!最初に少量入れて溶かさなきゃ!まあいいよ。ちゃんと溶けた?じゃあまたお湯いれて。そうそう。ちょっと!なんでそのままあげようとするの!?火傷しちゃうでしょ!ほ乳瓶かき回して冷まして、それで手にちょっと出して温度確かめなきゃ。…平気?ぬるくなった?…うん、こんなもんかな。はいお待たせハリー!ご飯だよー」


一言言おう。
私には子育てなんてできない。


ミルクを器用にあげるルーピンを見ながら、スネイプはそう思った。
一番こたえたのは夜泣きだった。
元々夜更かしは苦手ではなかったが、こうもひっきりなしに起こされるとたまらない。
最近は殆ど眠れず、昼夜逆転の生活と言ってもよいほど生活のリズムは崩れていた。昼はルーピンが来てくれるので大方は楽に過ごせる。
だが、ルーピン先生の子育て授業が始まるとそうはいかず、先ほどのようにダメ出しばかりもらう。
点数的にすると12点と、なかなか厳しい評価をいただいている。
美味しそうにミルクを飲むハリーを見て、はあとため息をついた。

「何ため息なんかついてるの」
「私に子育ては向いていない」
「そんなの始めから分かってたじゃない。」
「………」
「引き取った以上はやり通すしかないよ。3歳にもなれば今より楽になるから。それまでがんばって。」
「………はあ」

もう一度ため息をついた。
本当にこいつは子育て未経験者なのか。
詳しすぎて時々本当は隠し子でもいるんじゃないかと本気で疑う。
だがそのたびに僕にはセブルスしかいないよ、と言われ口を噤む。

「ミルクも飲んだし、今度はお昼寝だね」

げっぷを出させるため、ぽんぽんとハリーの背中を叩きながらリーマスが言った。
やっと解放される…!
セブルスは緊張がとかれたようで、ソファにだらしなく寄りかかった。

「…セブルス、」

不意に真剣な声をルーピンが出した。

「なんだ?」

なおもソファに体を任せきりでセブルスは呟くようにきいた。

「僕、明日から一週間くらいこっちこれないからね」

その言葉をきいてようやく体を起こした。

「そうか…。もうそんな日だったか」
「うん。…ごめんね、セブルス。」
「謝ることじゃないだろう…。それよりも私の方が早く薬を完全させなきゃいけないのに…。」
「ありがとうセブルス。」
「それはこっちの台詞だ…」

言葉は背もたれではなく、ルーピンの肩に寄りかかりながら言った。


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