赤い騎士 | ナノ



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「…ッ、」



今まで、こんなことは無かった。

焦りにも似た感情が、私の胸にへばりついている。

なんなんだ、私は何に怯えている。

敵の情報が少なすぎるからか。

それでも、自慢じゃないが私には人並み以上に培ってきた実力がある。

そう簡単に、くたばってたまるか。

それでは、なんだ。

私をここまで追い詰めるのは。



「鬼道、おはよ!」

「円堂か」

「早く出ろ有人」

「ディルもおはよ!」



「ああ、今日も元気だな、円堂青年」



有人を下ろし、運転手に礼をいい玄関へ向かう。

既に待っていたのか、円堂青年が爽やかに迎えてくれた。

なんとなくだけど、その姿を見たら元気が出てきたような気がする。

不思議な人だな、円堂青年は。

その姿を見てぼんやりと脳裏に浮かんだのは、ボンゴレが誇るあの黒髪の剣士。

嗚呼、思い出したら恋しくなってきた。



「武さんなら、どうにかしてくれるか、な」

「どうかしたか、ディル」



有人に何でもないと答えると、私は徐に携帯電話を取り出した。










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