赤い騎士 | ナノ



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―――情けない、命が関わる問題なのに。




その考えが、何故か頭の中をいつまでもぐるぐると巡っている。

さっきから、何度も何度も。

夕食が終わり、机に向かう有人を横目に見ながら、勝手に溜息が口から滑り出た。

今まで幾度と無く、殺しと同じくらい護衛の任務は受けている。

彼の某総理大臣だとか、王族だとか。

慣れ、というより、直感と瞬発力がいる仕事だから

常に気は抜けない。

元々、綱吉や守護者は護衛に向いていない。

力はあるものの、武器であったり、手段であったり

大事になるような、強すぎるものを持っているからだ。

それに、彼等にはSランク以上の任務がほとんど。

彼等を護衛等という仕事をやらせることが間違いだと、誰かが言っていた。

だから一流且つ、目立ちすぎないちょうどよい影の存在が、私なのだと師匠はいう。

確かに、一匹で闇の中の闇を支配した私。

格好こそは目立つものの、自分自身が目立つことを好んでいないため

素早く的確、確実に仕事を終わらせる。










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