15 「…お、やっと起きたか寝ぼすけ」 ディルが声をかけたほうを振り替えると、リュカが居た。 そういえば、朝起きたらベッドにいたな、リュカ。 きっと朝早くから起きていたディルに出され、見張りをしていたんだろう。 「そろそろ、だな」 おつかれ、といい、匣を取り出したディル リュカは吸い込まれるように入った。 「…まだ、時間はあるか?」 「……まぁ、充分過ぎるほどあるぞ?」 そうなのか?、と不思議そうに尋ねられる。 「いつも俺は、一時間は余裕をもって起きるからな かなり早い」 それに、送り迎えは車だから、遅刻はありえないしな、と付け足せば ディルは無表情で、そうか、と答えた。 しばらく黙って朝食を作ったフライパン等を洗うディル。 俺は朝食を口に運んでいく。 洗い終わったらしく、丁寧にタオルで拭いた後、ディルはカップを取り出した。 「じゃあ、一服しよう」 カップにドリップ式のコーヒーを乗せ、お湯の入ったポットを持ち上げる。 慣れた手つきでいれられていくコーヒーは、湯気をたててカップに納まる。 「…、んまい」 ミルクも砂糖も入れず、ブラックコーヒーを当たり前のように飲んでいる。 まぁ、俺も高二なわけだし、飲めないわけではないが。 |