No title | ナノ
『―――――、うん分かった』


夜、寝ようとしたとき、一本の電話が鳴った

正剛さんは仕込みで忙しそうだったので

「あたし出ます」と、受話器をとった


―――――電話の相手は、秋ちゃん


修学旅行へ持っていくものを、一緒に買いに行かないかとのお誘いだった

凄く嬉しかった

同じクラスだから、連絡網を見て連絡をくれたらしい

もっと早くに、アドレスを交換しておくべきだったと少し後悔した


丁度次の日は休日で、秋ちゃんは部活は午前までしかないらしい

午後、昼食も兼ねて近所のショッピングモールへ行くことになった


うきうきとして、思わずスキップをしてしまったあたしは、自分に突っ込みを入れ、とっくに終わっている電話の受話器を置いた


そうだ、出掛けることを正剛さんに言わなくては




(楽しめるときに楽しもうと思った)



 


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