No title | ナノ


部活の時間

俺は、円堂に呼び止められた


『…は?』


―――みょうじと付き合ってんのか?


いや、まてまてまて

みょうじは転校してきてからまだ三日目だぞ

一緒にサボったけど、な?

で、でもそんな気がないわけでは…


『どうなんだよ豪炎寺ー
あ! …みょうじだ』


なんというタイミングなんて思ってたら、みょうじに円堂が手を振った


『みょうじーッ』

『? …あ、円堂くん』


にこっと笑い、こちらに手を振るみょうじ

ぽっと顔が赤くなったのは、俺だけじゃないはず


そうだ、きっとそうだ

俺が話を聞いてから、なんだか表情が柔らかくなった

笑うようになった


授業だけでも、考え事はしなくなったし


俺のきっかけが円堂だったように

みょうじ曰く、みょうじのきっかけは俺らしい


ちょっと嬉しい気もする


なんか、夢中だったから

悩んでるとこなんか、見たくなかったし


『みょうじー、ちょっと待っててくれよな』

『うん、なんかごめんね』


雷雷軒まで送り届けなくてはいけない円堂

みょうじにマネージャーと一緒に見ていけと誘い、円堂はこちらに振り向いた


『帰りに聞かせてもらうからな!』


ライバル発覚






(涙も笑顔も、俺だけのものだってば あれ、どうしたんだ俺)



 


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