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『せーんぱいっ?』






***ヒバードの使用方法***






屋上に行けばヒバードのお休み中の雲雀先輩がど真ん中で寝ていた。

その顔をのぞき込みながら声をかければスッと目が開いた。

「・・・なまえ・・・?」

『おはようございます!』

「・・・何の用?」

寝起きの彼は不機嫌そうで目を細めている。

『何の用って・・・』

特に用はない。

だけどここで用がないのに起こした、ということになれば雲雀先輩は間違えなくトンファーを構えるだろう・・・;

『・・・あ!!こんなところで寝ていると日焼けしちゃいますよ〜?』

「・・・」

思いついた言葉を言えば彼は一瞬眉間に皺をよせながらも大きく息をついた。

「そうだね」

『そうですっ!』

「じゃぁなまえが日蔭になって」

生け贄を出す様にいきなり雲雀先輩に手を掴まれあたしは彼に覆いかぶさる形になった。

『ちょ、何するんですかー?!』

「・・・日傘代わりに」

『ヒドッ!なまえちゃんの肌がシミだらけになってもいいんですか?!』

「自分でチャンづけは痛いね」

『・・・』

適切な突っ込みを入れながらもあたしを見つめる雲雀先輩。

何なんだ、この妖艶な顔立ちは!!!

「なまえ、汚いから涎だけは垂らさないで」

『え、ハッ!ごめんなさいっ』

口の締まりがなかったようで後ちょっとで雲雀先輩を食すところだったあたしを彼が静止した。

それからあたしは素早く雲雀先輩の横に移動して座る。











「・・・戻る?」

『え、』

「シミ、できちゃうんでしょ」

『あー・・・』

「知らなかったよ、なまえがそんなにお婆さんだったなんて」

『え゛』

バッと雲雀先輩へと視線を向ければさも残念そうな顔をしている。

『ちょ、待って下さい;そんなにすぐにはできません』

「そうなの?」

『そうです;』

「そう」

口数が少ない雲雀先輩とこれだけ話せれば結構いっぱいいっぱい。

あたしは再び黙った・・・

けど目の前を飛ぶヒバードがどうしても目につく。

【ミードーリータナービク】

しかも口ずさんでいるのは並中の校歌。

他にも何か言わせてみたい、と思いチラリと雲雀先輩へと目を向ければ彼は夢の中に入っているようで規則正しい呼吸が聞こえてきた。

『・・・ヒバード、おいで?』

【・・・】

少し警戒の様子を見せていたが素直に飛んできたヒバードを指に乗せる。

『何しゃべれる?』

問いかければ首をかしげるような素振りを見せる。

『きゃ、キャワイイッ!!!食べちゃいたいっ!』

【・・・;】

引いたような顔をした気がしたのは多分気のせいっ!!!!

『んじゃ・・・ヒバード・・・』

それからあたしは何度も同じ言葉を繰り返しヒバードに覚えさせるように呟く。

何度も言えば頭のいいヒバードは覚えた様で並中の校歌の間にその言葉を混ぜて言うようになった。











でもよくよく考えてみれば並中校歌にその他の言葉が混ぜられればきっと雲雀先輩は怒るだろう。

そう思いながらチラリと彼を盗み見れば未だに寝ている様子だった。

『・・・ま、いっか』

あたしの仕業だってバレなきゃいいだけの話。

用も済んだわけだし、あたしは腰を上げた。

『いい?ヒバード。あたしが覚えさせたって言っちゃ駄目だよ?』

【ミードーリータナービクー】

答えるように歌いだすヒバードを見てクスリと笑ってその場から逃げ出す様に屋上を後にした。

きっと雲雀先輩はあの言葉を聞けばあたしの情熱を分かってくれるはずだっ!!

だけどそれ以上にあたしの気持ちに気づいてくれるかもしれない、なんて・・・♪

階段をルンルン気分で降りて行けば調度、沢田君と獄寺君、そして山本君、笹川お兄さんに会った。

「あ、なまえちゃんっ!雲雀さんみなかった??」

『え?今屋上で寝てたけど?』

「そ。ありがとっ!!」

どうやら随分慌てている様子。

そう言うことには首を出したくなるのが野次馬の性。

あたしは山本君の隣に寄り添うように一緒に来た道を上った。

『何があったの?』

「ん?あー小僧がなんか緊急事態だから集まれって言ってなー」

『緊急事態??』

小僧、とはきっと学校によく現れる小さな赤ちゃん。

赤ちゃんの割によく言葉を話すし可愛らしいのであたしの中ではポイントが高いっ!!











そうこうしているうちに屋上につき先ほどの光景が見えてきた。

少し違うのは雲雀先輩が起きていること。

「・・・なに群れてるの?」

「ヒィッ!あ、あのリボーンが」

おびえた様子の沢田君を横目で見ながらヒバードの姿を探せば雲雀先輩の真上を飛んでいた。

「よぉ、皆揃ったな」

「あ、リボーンっ!なんだよ、こんなところに皆揃えて」

「実はな【ミードーリタナービク♪】

小さな赤ちゃんが話しているのを遮るように丁度ヒバードは歌いだした。

このタイミングは流石にヤバイ、かもしれない;

『ヒ、ヒバー【ツナキュン萌ヘ】

・・・

言ってしまった。

「・・・は?」

聞いた沢田くんは眼を大きく開いている。

でもそれに構わず再びヒバードは口を開く。

【ゴッキュンモモッサンモステキ〜♪】

『・・・』

【オ兄サンハスコシニガテ〜〜〜】

「な゛!それは極限にショックだぞ!!」

ガビーンッという音が似合いそうな顔をしているお兄さんは置いておいて。

ヒバードと雲雀先輩に一気に注目が集まった。

「雲雀・・・テメェ・・・そういう趣味・・・」

獄寺君の顔色は真青。

多分ヒバードにそう覚えさせたのを雲雀先輩だと思い込んでいるのだろう・・・

「ハハッ・・・モッサン、って・・・;」

「オ、俺はツナキュンだった、けど」

それぞれが複雑な表情を浮かべている。

そんな中雲雀先輩はあたしの仕業だと気づいたようでキッと視線を向けてきた。

怖いっ怖い怖い・・・ッ

それに後退していると次にヒバードが再び口を開いた。











【デモヤッパリヒバリセンパイガシュキ〜〜】

『−////』

逃げるように扉に急げば雲雀さんが彼らに責められている姿が目に入った。

「オ、俺に萌えないでください!!!;」

「俺は対象にするんじゃねぇ!!」

「ハハッ俺も流石に・・・」

「俺は苦手と言われて極限に寂しいぞっ!!」

「・・・なまえ・・・咬み殺す」

『ヒィッ!!』

それから無限鬼ごっこが始まったのは言うまでもない。












(「なまえ、待ちなよ」)(『トンファー構えられて追われてるんですよ?!待てるわけないでしょー;』)(「君のせいで誤解されたじゃない」)(『あ、あれはヒバードの気持ちですぅーッ』)(「へぇ?ヒバードのせいにするの?」)(『ヒィッ!!ご、ごめんなさーいっ(>_<。)』)(「許さない」)((「本当は君の告白にドキッとしたのは言わないよ、なまえ」))







⇒後書き

…すみません(>_<。)
懺悔の言葉しかありません;

ギャグ…愛瑠の苦手教科かもしれません;←
でも精進しますっ!!!
下手っぴでごめんなさいッ;

もっとギャグっぽくできるよう、頑張りますっ!!!(ノ><)ノ

こんなんでよろしければ杏様のみお持ち帰りOKです(v_v)

ここまで読んでくださりありがとうございました!!






H20年12月28日







こんなんって…

すっげぇ好きです!!

ありがとうございました★


        時松 杏。



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