(拍手お礼ログ)



「さあさあみんな準備はいーい?」
「張り切りすぎだろ」
「僕手持ち花火はじめてだよ!」
「僕も線香花火ははじめてだなぁ〜」
「イギリスではなかなかしないよね」

一人一本ずつ線香花火を持ち、円を描くようにしゃがみ込む。
私以外はじめての線香花火らしい。逆さまに持っていたピーターに指摘してから、杖先に炎を灯した。


「なんだこれ地味」
「シリウスってほんとに風情がないよねこのクソ犬」
「口悪すぎだろお前…」
「ちょっとジェームズ!そんな体揺らしたら落ちるよ!」
「え?ダメなの?」
「ダメだよ!線香花火はお願い事をして、玉が最後まで落ちなかったら叶う!っていうのが醍醐味なんだから!」
「言うの遅くない?」

サラリとリーマスに批判されたけど、フツーに忘れてました。

「うーん、願い事かぁ、何にしようかなあ」
「ピーターはこれ以上魔法薬学の成績が落ちませんように、だろ」
「そういうシリウスはこれ以上女の恨みを買いませんように、だね」
「リーマスはお腹いっぱいお菓子が食べたい、かい?
僕はリリー「はいジェームズ落ちた」僕だけ早くない?!」

ポトリと寂しく落下したジェームズの線香花火。あとの4人の手に握られる花火は、パチパチと良い音をかなでながら炎がはじけている。

「わぁ、綺麗だね」
「ピーターだけだよまともに良さを感じてくれたのは…」
「たまにはいいね、こういうのも」

リーマスが優しく微笑みながら言った。
花火をこうしてじっと眺めていると、ゆっくりと時間が流れていく気がする。
そのうちピーターの玉がポトリと落ちて、肩を落としながらバケツへと向かって行った。シリウスはいじけたジェームズに体当たりをされ、とっくに玉が落ち、追いかけっこの真っ最中だ。

「残るは私たちか…」
「そうだね。あ、そういえば」
「ん?」
「なにをお願いしたの?」

首を傾げながら尋ねるリーマスに、悪戯っぽく人差し指を唇の前に立てた。




ずっとみんなで、楽しい夏を!


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