夏目友人帳夢小説 | ナノ


  いつもの風景


「おーい、狭川ー起きてるかー夏目、狭川起こしてやれ」

「先生、狭川百合再起不能です」

授業中の教室に笑いがおこる。

話の中心人物は目を閉じて机と仲良く夢の中へ旅立っている。

話の中心人物…もとい、狭川百合は隣の席の夏目貴志に起こされてもなかなか起きない強者。

「百合起きて」

再度夏目が百合の肩を揺らすが、少し眉を寄せただけで、起きる気配は全くない。

叩いてもだめだったら諦めよう、と肩を軽く叩く。

「ん…」

小さく身じろぎをして百合が目を覚ました。

目を覚ました、と言っても机に突っ伏したまま目を半分開けただけだが。

「お、やっと起きたか」

先生が百合の席のすぐそばで教科書を丸めながら立っていた。

そして、ポカッと軽い音を立てて教科書が頭にヒットする。

「痛い…」

あれ、今なんの時間だっけ…?

体を起こして目を擦る百合は隣の夏目を見る。

夏目は目が合うと、教科書を持ち上げて『ここ』と教えてくれる。

「ありがとう」

笑顔でお礼を言って自分の教科書を広げようと机から教科書を引き出しから引っ張り出す。



いつもの風景



(ところで、ソレ何の教科?)
(そこからかよ!!)
(えっ)
(まだ教科書もノートも出していませんでした)

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