花骨牌 | ナノ

め息に映える



「私、棄権します」

会場に響いたその声に、数名の忍が溜め息を吐いたのをよく覚えている。


傷一つない飄々とした態度の受験生に、違和感を覚えたのはきっと俺だけではない。


誰もが中忍を目指し受験したはずのこの場所で、彼女はいとも簡単に棄権を宣言した。





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