神に愛されし者 1
新暦1420年、ディル。
ここは人と魔物が共存する世界。
人間の中にも魔族といったような民族もいる。人々は自分と違う民族を嫌ったり憎みそれでいて、愛す。
その中でも"神の恋人"、又は"神の生まれ変わり"の者がいるという伝説がある。
神に愛されし、"依坐"。
この世界を愛した神に愛される依坐。 彼らは魂朴(アンゲリク)の力を使う時に言霊をかける。
生をうけた時から持っている言葉。それを覚えている者もいれば忘れる者もいる。
魂朴の過去を知っている者もいれば知らない者もいる。
自分が、依坐だと分かっている者もいれば知らない者もいる。
知らない者は平穏な日々を過ごすだけ――
知ってしまった者は――この平穏な日々を捨て過酷な運命を背負う。
一人の少年として一人少女のとしての――
現実と戦いながらそれでも、彼らは生きる。 笑いながら悲しみながら怒りながら――
さぁ、物語の始まりだ。
歪む世界の前奏曲
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