この悪は世界に 1





暗い闇の中に蝋燭の火が灯る。それでもまだ凄くがちょっとに変わっただけだ。
一つの影。
扉の開く鈍い音が部屋に響く。月の光で顔はよく見えないが少女の様だ。中に入り後ろ手で扉を閉め、その場に膝をつく。

「目覚め、ました」

「あぁ、どうやらそうみたいだね」

「……どうしますか? すぐにでも……」

「ロラ、止めなさい。まだ時は満ちてないよ。君らと違って彼等の力は不安定、覚醒してもいない。暫く待ってた方がいい」

優しい口調だが、ぞっ、とその声に悪寒を感じたロラは押し黙った。
数秒経って、再び口を開く。

「…分かりました。しかし、彼女はどう想っているのでしょうか?」

「さぁ? でも、"彼女"はそれを知っているだろうね。知っててこうしたんだ。後悔してるかもしれないけれど……」

そこで話は途切れる。どちらも言葉を発しない。時間が止まったかのように静かだ。

「……私はそろそろ行きます」

沈黙を断ち切ったのは、ロラだった。

「よろしくお願いするよ、ロラ。すまんね、巻き込んでしまって……」

「いえ、気にしないで下さい。私が勝手にしているだけです。全ては貴方様の為ーーこの、ロラ・カースティ、しっかりと役目を果たします」

立ち上がり礼をした後、部屋から去っていった。
一人になった彼は、呟く。

「まずはおめでとうの変わりにこれをあげよう」





けがれた森、そして








世界に、神に邪悪なモノを授けよう







mokuji



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