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 ロスマリナス 01

その女の存在に気付いたのは、調査兵団に入ってから少し経ったくらいだった


地下街からの出口からさほど遠くなく、でも都のはずれの方に何故か人を避けて一人で暮らしているようだった


堀の深い目元にダークブロンドの長いゆるやかな髪

初めてその姿を目にしたのは久々に地下街に用があって近くを通りかかったときだった

馬で駆けながら庭先で布を広げている女がいることに気付き
治安もあまり良くない街の外れに若い女がいるという些細な違和感を感じただけだった




通り過ぎる瞬間その女に目を向けるとそれに気付きながら一瞬目線を漂わせ、大きな瞳で見つめ返してはこちらが目を逸らす前に居心地悪そうに目線を外していった


ずいぶんと秀麗な顔だがツンとした雰囲気で、一目でつまらなそうな女だと思った

嫌いな系統だと、思った


それから調査兵団敷地内に拠点を移し、地下街に行くこともなくなりその存在も忘れかけていた




    


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