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 アリビンゲーブ 53

お互いの熱を確認し合うように、存在を確認しあうように肌に触れ合う。

吐息が混じる。

舌を絡め合う…。


不意に兵長の熱い手が内腿を上へと伝ってくる。
ぴくりと体が跳ねるのを確認しながら、つつ、と指が足の間に滑り込む。

反射的に腰が浮いてしまう。
つぷりと彼の指が秘部へ到達したかと思ったら、明らかに水とは違う感触が足を伝った。

それは、私の…。


「…っ!」


や…だ…っ。

羞恥で、かあっと顔が熱くなる。
こんなに自分から溢れているなんて信じられなかった。
どくどくと体全体が脈を打っていて、どこがどうなっているのか自分ではよく分からない。

彼は一度そこから指を放してシャワーを止めた。

…?

「…折角のものを流しちまったらもったいねぇからな」

にやりと笑う彼の目は熱を含んでいる。
…なんだかとてもいやらしい。

彼は浅い息を吐く私に更に体を近づけ、左足を私の両足の間に割り込ませた。
間髪入れずに左手がその隙間に入り込み、一番敏感な部分に触れていく。

軽く押されるように刺激されると羞恥も何もあったものではない。
彼が触れる場所の一つ一つは今まで以上に歓喜に震え、自分でも恥ずかしくなる程に反応してしまう。


「あ…っ、ッんん」


体は腰から震えて、自分でも声を制御できない。
ぬるりとした感触に頭の芯がとろけていき、もっと欲しい、と貪欲な性が顔を出す。

愛撫は絶えることなく与えられ、自分が更に潤っていくのを感じた。

理性が働かなくなった瞬間に甘い快感が頭から足先まで万遍なく行きわたる。
彼の指の刺激に全意識が集中する。

次第に息が浅くなっていく。


「…へ、いちょ…う、もう…私…っ!」

「…もう限界か…?」


多少強めに刺激され、一気に体全体に力が入る。


「っ!」


返事をする代わりに、兵長の背中にしがみついてしまう。
連続的な快楽が突き抜けていき、びくりと一際大きな電気が体を走る。

次の瞬間にはふっと力が抜け、恍惚の感覚だけが残された…。

その朦朧とした意識の中で、兵長がピン、とボタンを外した音を聞いた。


一瞬我に返って頭を起こすと、彼がばさりと衣服を脱ぎすてたところだった。
荒く短い息を吐く姿に目を奪われる。

均整の取れた肉体。

その筋肉は決して主張をすることなく彼の魅力を引き立てている。

水分を含んだ髪は後ろに撫でつけられ、滴るように水が首筋を流れ落ちた。

彼の裸体は一枚の絵画のようだ。

男性がこんなに綺麗で、欲情を誘うものだなんて−−−、
今まで私は、知らなかった。



  


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