×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -


 アリビンゲーブ 32

翌日、毎日のように行われる全体訓練の前に最終確認として講義が行われることになった。

いつも兵法講義が行われる一室で班ごとに分かれて座り、陣形について今一度講演が行われる。
自分が担当する位置と役割を再認識する。

…兵長はどの辺りの担当なのだろう。
壁外に行っても姿を見るのは難しそうだな。

ぼんやりと一度考えてしまうと、班長が説明する声も遠くなっていく。

…場馴れしている女性の方が兵長は好みなのは間違いない。
それは彼の発言から容易に汲み取れる。
女性的で、妖艶で、大人の雰囲気を持つ兵士などがいたら私では到底太刀打ちできない。
そもそも、なぜ兵長は私などを見染めたのだろう。

体型や背丈にいたっては標準を下回りそうな私なんかを…。







「…分かったな?では、これから昼休憩を挟んで訓練場にて集合とする!」



その声を合図にして、がたがたと周りが立ち上がる。


あ、講義が終わったのか。


昼食、といっても食欲もあまり湧かないな…。

いまだにぼんやりとしたままで皆の立ち去る姿を眺めていた。

人混みもまばらになった時、ようやく立ち上がって後ろを振り返ると、
予期せぬ人影が見えて体が硬直した。



  


Main>>home