△ アリビンゲーブ 26
兵長は指で私の腰の辺りを刺激しながら舌で首筋をなぞり、鎖骨まで到達する。
「ん…っ!」
…?
朦朧としてきた意識の中で、違和感を感じた。
いつもより、彼の身体が熱く感じる。
それに、いつもと愛撫の仕方も違う気がする。
今日のように執拗に全身を攻められるのは初めてだ。
…なぜ?
…どうしよう、
今日はいつも以上に体が火照ってしまう…。
なんだか焦らされてる?
こんなの、初めて…。
兵長、いつもなら先に進んでくれるのに、
どうして…?
「兵、長…!」
甘い快楽の中で初めて彼を呼ぶと動きを止め、なんだ、と言うように私を見下ろす。
む、無理。
焦らさないで、なんて恥ずかしいこと言えない…!
かあっと更に頭に血が上るのが分かった。
そんな私を見て、くっと彼が喉を鳴らす。
「言いたい事があるなら、素直に言った方がいいぞ…」
そう言いながら怪しげな笑みを零し、私に顔を近づけ、指を下着の中に侵入させた。
「あっ、っ!」
びり、と頭に甘い電気が走る。
待ち望んだものより多少強い刺激が与えられて、一気に体の温度が上昇した。
兵長を見る余裕も無くなり、必死に刺激を堪えようとするが強い快感の波に抗えなくなる。
びくびくと反応する体を抑えきれず、声だけは出さない様に歯を噛みしめると、兵長がすかさず口を塞いできた。
「ん…っ、んん」
な、なんで…?
声は出してないの、に…。
熱くキスをされ、息苦しさも心地良くなり意識が更に白む。
あ、だめ…っ!
もう何となく分かってきた自分の限界を迎える。
「…っ?」
一瞬大きな快楽の波に飲まれ、力が入らない私を、兵長はぐいっと抱き直した。