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 アリビンゲーブ 09

早速夜寝る前に胸筋のストレッチを始めると、相部屋のサシャに笑われた。


「エマ、どうしたんですか!?
今のまま少し柔らかいくらいがおいしそうで丁度いいですよ!」

「それが嫌なの!」


今の私の体型は細身に見えるが実は筋肉になりきれない肉がついている。
兵士としてはこの部分を筋肉に変え、剣を長時間振れるような腕力が欲しいところだ。

腕の筋肉があまり無い代わりに好きでよく走りこむので、腰回りばかり発達してしまった。
訓練時でも、下半身を使う兵站行進や立体起動の方が楽だ。

兵士として胸は邪魔だが、女子としてはふくよかなバストに憧れる。

…実に難しいところだ。
ストレッチを終え、ベッドに倒れこむ。


「あまり揺らさないでくださいよー」

「あ、ごめん」


二段ベッドの下段からサシャの声が飛んだ。


明日の訓練も朝が早い。
今日はなんだか変な事があった一日だったな…。

次の日は何事もなく一日が過ぎた。
内心、またどこかから呼ばれるんじゃないかと気が気ではなかったが、拍子抜けするほどに何も無かった。

やっぱりもう呼ばれないんだ!と思っても訓練に何となく集中出来ない。

自分で自分が嫌になる…。



  


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