非日常5題--01
1.一日ご主人様キャンペーン
俺の住んでいるマンションに帰ると見知らぬ女が其処にはいた。
「おかえりなさいませ、ご主人様」
にこりと微笑んだのは艶やかな黒髪の少女。
恐らく年齢は俺と同じか少し下くらいだろう。
容姿や顔立ちは整っているが、一つだけおかしいところがある。それは彼女の着ている服だ。
流行を上手く取り入れているのか。彼女は所謂メイド服を纏っていた。
「あ、ご主人様っていう呼び方はお気に召しませんでしたか?でしたら…そうですね、マスター・ケビンというのはどうでしょうか?」
あくまでにこにこと微笑みながら少女は俺に話しかける。
いや、そういう問題じゃない。とぴしりと厳しめに言っても、彼女はへこたれることなく笑顔のまま。
「お前はなんなんだ?何故俺の部屋に居る」
「そんな小さいこと気にしていたら負けちゃいますよ、マスターケビン?」
「…とりあえずその呼び方はやめろ…」
くらりと覚える軽い眩暈。
一体なんなんだ、この天然娘は…。
「それじゃあ、やっぱりご主人様って呼びますね?」
彼女はにこりと、極上の笑顔を俺に向けた。
その笑顔が酷く可愛くて、印象的で。
どきりと心臓が高鳴った。それは俺の。俺だけの秘密にしてやる。
「さぁご主人様、ご飯でもシャワーでも何でも構いませんよ。全て用意は済ませてあります」
それとも、と恥ずかしげに顔を伏せながら彼女は「えと、わたしはご主人様のメイドですから、ご飯などのお世話以外も行いますよ?」と。
その言葉の裏に隠されている意味を、彼女のその反応で理解した。
なるほど、それもありなんだな。そしてそれを選択しても構わないんだな。
健全な男の部屋にこんな格好をしてやってきたお前が悪い。
そう思いながら、何の罪悪感もなく彼女のスカートをぐいと持ち上げ、純白のショーツを露わにしてやった。
そこには「一日ご主人様キャンペーン」と、パステルカラーの刺繍がなされていた。
…なるほど、今日オンリーか。
冷静にそう判断しながら、俺はこの少女との関係を今日一日で終わらせるつもりは毛頭なかった。
「お前が俺から離れられなくしてやるよ。主人の命令だ。」
鉄仮面の向うでにやりと微笑んで、俺は彼女の身体を一晩かけて味わうことにした。
それからどうなったかって?
そりゃあ、俺専属のメイドとして傍に置いているに決まっているだろう。
Fortune Fate
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拍手御礼小説。ケビンでした。
そこはかとなくえろいのはなぜでしょうか?きっと私の脳内が病気なのでしょう。
09.6.16