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あとがき

「もしも恋人が宇宙人なら」をお読みいただきありがとうございました。
いつものように、自作品が大好きなのであとがきをもりもり書いていきます。

最初に書き始めてからだいぶ路線を変更してこの形になりました。
中編でやろうと思っていましたが、4話で終わらせられるかもわかりませんでした。
終わらせたけど。
本当は山口さんの大学の友だちと会っててんやわんや、みたいなことをする予定でした。
常識知らずの山口くんが勝手に山口さんのバイト先来て遊んで帰るとか。

結末も、大学生時代で終わらせるつもりでした。
山口くんがこの人生で何かを成し遂げる、の何かは、山口さんとセックスすることにする予定だったのですが、なんだか単純だな〜と思ってやめました。
たぶん山口くんは性欲ないと思うし。
性欲がない山口くんが山口さんと繋がることで、新しい生きることの喜びを知る、という話にしようと思っていましたが、それだと山口さんがただ道具にされたみたいで平等じゃないなと思ったので、やめました。

それから、書いていくうちに、突然訪れる別れと少しずついなくなる日が近づいてくる別れはどちらの方がつらいだろう、とも考えました。
山口さんはゆっくりと訪れる別れに慣れ親しんでしまっていて、それを克服できないでいます。
そのトラウマを植え付けたのは山口くんなんですが、だからこそ、最後にまた山口くんは山口さんを迎えに来ます。
山口さんは、山口くんが成し遂げたかったことって、この世に残したかった爪痕って何なんだろうとずっとわからないままです。
でも山口くんはもう、この世に自分と出会って全てを変えてしまった山口さんという人間を残せたので、すっきりして今世を終えて、60年かけて山口さんのもとに帰ってきたという感じですね。
それはセックスとか偉大な愛の形とか、本を書いたりテレビに出たりするようなすごいことではありませんが、二人だけの極めてミクロなテーマとして、ちょうど良かったんじゃないかなと思います。

ところでここまで読んでお分かりかと思いますが、主人公2人が同じ名前というややこしいこと極まりないことをしております。
特に意味はないです。
お互いがお互いの苗字を「くん」と「さん」だけで使い分けている様子が楽しかったからかもしれないです。
山口さんは特に、山口くんのことを「彼」とは形容せずにずっと「山口くん」と呼び続けています。
60年間会えなくなることを知っているみたいに、この世に彼の名前だけでもとどまるように名前を呼びます。
そんなところで山口さんの人間らしさを出してみました。

そもそもこんな話を書き始めようと思ったのは、岩男潤子の「恋人が宇宙人なら」という歌が大好きだからなんですね〜。
藤子不二雄氏の『モジャ公』という漫画の主題歌です。
3話目を読み終わってから聴くと、まんますぎてパクりじゃねーかと思うレベルです。
宇宙デートのくだりは本当にそのまんまです。
だって好きだから…!!!

それから、恋人が宇宙人だったら、と考えて、私の思う宇宙人をたくさん詰め込んでこうなりました。
宇宙人はいると思っているのですが、なぜずっと観測されないのかというと、実体がないからじゃないか!と思いを馳せたりしています。
人や物の精神や五感に干渉して、そこにいるように見せているから、いつもは空気中にもやもやと浮かんでいるだけなんじゃないか!とか。
彼らは猛スピードで知識を吸収していくので、寿命が数年でいいんですね〜。
だから山口くんも最初は「もうそろそろか〜」くらいの気持ちだったと思いますが、今世で初めて、この世になにかを残したい、もっとこの世にいたいと強く思ったんじゃないかと思います。
人間からしたら宇宙人の寿命は短いけど、もっと寿命の長い何かからしたら(木とか?)、人間も短い人生の中でいろいろやっとんな〜と思っているのかな〜とか思ってニコニコしています。

やっぱり不完全燃焼な部分は多々ありますが、なかなか思い出深いお話になりました。
最終話の夏真っ盛りの話を真冬に書いたことも思い出深いです笑。
暑い時の記憶をめちゃくちゃ思い出して震えながら書きました…。
ここまでお読みいただいて、ありがとうございました!
また次のお話でもよろしくお願いします!

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