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昨夜、リヴァイはシャオを抱いた。
彼女に剥き出しの愛情を注いだ。

避妊具も何もつけていない状態でシャオの中に入り、リヴァイはシャオの膣内へ躊躇うことなく射精した。

奥に放たれた熱に気付きシャオは愕然としたが、果てた後も暫く中から出ず、穏やかな表情で優しいキスを繰り返すリヴァイを咎める事など出来なかった。



ー…子供が出来たら兵士として戦えなくなる。



それはシャオにとって生きる意味を失うことを示していた。


リヴァイの事は愛している。世界で一番大切な人だ。だからこそ傷つけたくない。

ならばリヴァイが知らないところで、彼に気付かれないように避妊をしなくては。

熱に浮かされた表情の下でシャオがそんなことを考えていたと知ったら、彼はどう思うだろう。




「…これは私の勝手な推測だけど」



踵を返し此方に背を向けたハンジは、独り言のように呟いた。



「リヴァイはあなたとの子供が欲しくて、そうしたんじゃないかな」



過去に経験した幾つもの恋愛で、彼が避妊を怠ったことは無かった。恐らく身体だけの付き合いもあっただろうにそういった話を全く聞かなかったのは、リヴァイがきちんとマナーを守っている何よりの証拠だ。
それに、潔癖症で神経質なリヴァイが女性を自室に泊めることなど今までに無かった。そりゃあ、現場を目撃したミケも珍しいと驚くだろう。


…シャオはきっと、特別なんだ。
リヴァイにとって、かけがえのない存在。



背後で息を呑むシャオの気配を感じて、ハンジはやるせなさでいっぱいになる。



「あなたを危険な場所に連れていきたくないから、リヴァイは敢えてそうしたんだと思うよ。…まぁ、それもシャオの同意を得ないとやっちゃいけないことだけどね」




やっぱり…不器用だよね、リヴァイって。




最後に一言だけ言い残し、ハンジは振り向きもせずに厩舎へと向かっていく。太陽の下だと目立つその背は、夜の闇に紛れてすぐに見えなくなった。


シャオは金縛りにあったかのように、その場から動けなかった。



「わかってる…」



中に熱を放ちながら自分を見下ろすリヴァイの目の色を見れば、彼が新しい命を望んでいることは明白だった。

しかし調査兵団に入団し、兵士としての使命を全うしようとするシャオの意志は固く、いくらリヴァイであっても揺り動かすことは出来ない。





シャオは信じている。

自分は兵士としてこの世に存在する身であると。

巨人に立ち向かう事が出来なくなったら、それはもう、自分ではない別の生き物なのだ。

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