×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


キモチだけは込もってます! 02


「もう、しゃきっとしーな!」
『うちもうあかんて…』
「あんたフラれても諦めへんって告白する時言うてたやん!」
『そうやけど…』
「せやったら、バレンタインにもっかい告白したらええねん!」
『…』
「今みたいにいじけとるんなまえらしゅうないで!いつもみたいに元気いっぱいに笑ってくれな調子狂うわ!」
『せやな!ありがとう!』
「ほな、明日はうちん家に来て一緒にお菓子作る練習せなな!」
『うん!』


土曜日に友だちといっぱい練習して、日曜日には一人で頑張ってお菓子作った。

それまで手作りなんかしたことなかったから、そんなすごいことは出来んかったけど…明日朝一で平次先輩の教室持って行こう思うてたら、


「なまえ、おはようさん」
『!?』


平次先輩が迎えに来てくれた。何で!?
でも、これはチャンスや!


『平次先輩、これ貰って下さい!』
「おおきに。ほな、学校行こか」


え?なんかあっさり過ぎひん?


「なぁ、これが俺と帰れんかった理由なんか?」
『え?』
「和葉のアホが言うててん。お前が俺の為に菓子作る練習してんねんから、黙ってバレンタインまで待っとけってな」


…遠山先輩、応援してくれるんは嬉しいんやけど、タイミング悪いて。


「でもって、後数日やから邪魔せんとこ思っててんけど、なまえ元気ないし心配しててんで?」
『だって先輩迎えに来てくれへんくなったから、うち嫌われたんやと思って…』
「阿呆、お前と会ってたら、もっと一緒に居りたーなるから身ぃひいとったんや」


なんや。
うちいらん心配して、勝手に落ち込んでバカみたいやん。
先輩にぐしゃぐしゃと頭撫でられてどうしようもなく安心してるうちがおった。


「んで、これ成功したんやろな?」
『うち今まで手作りとかしたことなかったから、そんなすごいのは作られへんかったんですけど、キモチだけはいっぱい入れときました!』
「せやったら、これもきっと美味いんやろな」


なんて、いつもの優しい平次先輩の笑顔が見れたのが嬉しくて、


「バレンタインまでちゃんと我慢してたんやから、今日からは一緒に帰るで」


って繋がれた手を離さへんようにしっかりと握り返した。





【キモチだけは込もってます!】

誕生日のお返しにって思っとったけど、イベントに振り回されんと普段通りにおるんが一番みたいや!



→あとがき

prev next