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 シンデレラ -1-

あるところに灰かぶりと呼ばれているシンデレラがいました。
シンデレラは毎日意地悪な継母と継姉妹に扱き使われて……


「シンデレラ!ここにもこんなに灰が残って…ない……。ちょっと!なまえ!細かいとこまで掃除し過ぎよ!これじゃあ台詞が言えないじゃない!」

「ごめんごめん。ついいつもの癖で…」

「園子もなまえも素が出てるよ?」


蘭に注意されるまで、シンデレラやってること忘れてた!


「でも、なまえちゃん、家事得意だからケチつけらんないよ?どうするの?」

「こうすんのよ!」


継母によってバケツの水を勢いよく頭から被ってしまったシンデレラ。
可哀想にせっかく掃除した床も暖炉の灰をぶち撒けられて、水を含んでどろどろです。


「ほーら、こんなに汚して!汚ならしいあんたにはお似合いだけど、ちゃんと綺麗に掃除するのよ?」

「園子ちゃん酷いよ!ここまでしなくていいじゃない!やり過ぎだよ!」

「なまえ大丈夫?とりあえずシャワー浴びて着替えなきゃだね」


……意地悪な継母の仕打ちに、心優しき継姉妹がシンデレラを庇いました。



「ちょっと!ナレーション!台本と変わってない!?」


前のままじゃ話が進まないの!!
いいから、続けて!!

シンデレラがシャワーを浴びてる内に継姉妹が、 床を綺麗に掃除してしまいました。


「あれ?床が綺麗になってる…」


シンデレラは継姉妹が片付けてくれたと知ってお礼を言いました。


「じゃあ、お詫びに今夜は夕飯を豪華にするね」

「なまえ、今日は…」

「おーほほほ!残念だったわね、シンデレラ。今日はお城で舞踏会の日なのよ。もちろん、あんたはお留守番よ!」

「あれ?なまえちゃんには王様から直々に招待状が届いてなかったっけ?」

「招待状?そんな設定あったの?」


設定も何もかも無視してくれた工藤くんのお父さ……ごほんごほん。王様が招待状をシンデレラに出していたのでした。


「こんな設定にないものは!こう、よ!こう!」


意地悪な継母はシンデレラの前でシンデレラ宛の招待状をビリビリに破いてしまいました。


「いい?あんたは大人しくお留守番してるのよ?」

「なまえあたしたちだけごめんね?」

「ううん。気にしないで楽しんできて。いってらっしゃい」


綺麗に着飾った継母たちが舞踏会へと出掛けるのをシンデレラは1人見送っていました。


「舞踏会はどうでもいいけど…独りになるのは淋しい、かな」


部屋で一人、膝を抱えていたシンデレラ。
しかし、その時窓の外が七色に光り出しました!


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