12.約束の日
今日からテスト週間。
というわけで、前から約束していた通り蘭と園子に勉強を教えるべく、あたしたちは蘭の家、つまりは毛利探偵事務所へと向かっていた。
『お邪魔しまーす』
目の前にはアニメに何度も出てきた探偵事務所。
こっそりとあたしのテンションが上がってます!
何で、此処にコナンがいないんだ!
コナン君いてくれたらもう完璧なのに!!
いや、まだ原作前だから高校生探偵すらいないんだけど。
「あれ?お父さんいないみたい。園子となまえは先に上へ行ってて。私、飲み物持って行くから」
蘭が事務所の奥に消えて行ったのを見て、園子が急にニヤニヤし出した。
え?何?
「で、どうなのよ?」
『どうって、何が?』
「新一君とのその後!」
『だから、バレちゃった時のことは、昨日電話で話したでしょ?』
「で、今日何かあった!?」
『は?何もあるわけないじゃない』
「なーんだ。つまんないの」
あたしの発言がお気に召さなかったらしい園子様はすっかりヤル気をなくした模様です。
一体何を期待してたんだ、君は。
「お待たせー。って何で園子そんなにだらけてるの?」
「ちょっと蘭聞いてよー」
『ちょ、園子!』
「何よ?もう新一君にバレちゃったんだから、蘭にも内緒にする必要ないでしょ?」
『それはそうだけどさ』
「何なに?何の話?」
楽しそうに話の先を促す蘭を見て、ちょっとだけ不安になってたり。
君の幼なじみで遊んでたんだよって言って、あたし怒られたり幻滅されたりしないかな?
出来ればどっちも遠慮したいんだけど…。
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