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サッカー部の練習が終わって、部長さんにお礼を言って帰ろうとしたら工藤くんが送るとか言い出した。

え?二人で下校?
無理だって!

今日は工藤くんと一緒にいる時間長くてお腹いっぱいなんだってば!


『いいよ。まだ明るいし、あたしの家近くだから』


でも、って渋る工藤くんが戸惑うっていうより寂し気な表情をし出したので、慌てて校門を出た。

危ない危ない。
あの表情は笑顔以上に危険なんだって!

とか思ってから、方向が違うからって断る理由があったことに気付く。


しまった…
パニクってて頭が回ってなかった。

まぁ、とりあえず。


『あ、もしもし。先生?』

「やぁ、なまえ君。どうしたんだい?」

『工藤くんがやっとあたしを見つけてくれたので、その報告です』

「やっとか!いやぁ長かった!これでもういつでも一緒に食事に行ってくれるんだね?」

『はい。工藤くんがいいって言うなら喜んで』

「私と有希子にあいつが勝てるとでも思っているのかい?」

『いえ、全く思ってません』

「相変わらずきっぱり言うね。息子には内緒にしておいてあげよう」

『はい。こんなこと言ったってバレたらまた怒られちゃうので、内緒にしておいて下さい』

「また食事に誘う時は連絡するよ」

『はい。出来れば早い時間に連絡して下さいね?夕食の材料がムダになっちゃうといけないので』

「たぶん来週までは待たさないと思うよ。隣で有希子が何処のお店にしようかもう悩んでいるからね」

『クスクス。気が早いですね。楽しみにしてます』

「あ、そうだ。なまえ君が最近喫茶店に来てくれないとマスターが寂しがっていたよ」

『すみません…テストが終わったら、また前みたいに通うと思うので、よろしく伝えて下さい』

「分かったよ。それじゃあまた」

『はい。お仕事頑張って下さい』


さて、お食事の時にはどんな服を来て行こうかな?

有希子さんに選んで貰った服を着て、望月さんに教えてもらった髪型をして行こうか。

工藤くんも交えた工藤家との食事なんて楽しみだなと、軽い足取りで帰路についた。




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